ソフトウェアの進化とメインテナンスに関するシンポジウム2019(SEMS2019)
ソフトウェアの進化とメインテナンスに関するシンポジウム2019(SEMS2019)
SEMS2019メインテーマ: ソフトウェア更新対応でのテスト効率化最前線!
~ 更新版ショートタイムデリバリにはテストの効率化・自動化は不可避な対策 ~
主催:ソフトウェア・メインテナンス研究会(Software Evolution Research Consortium :略称SERC)
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当研究会(SERC)は,国内で広義のソフトウェア保守(オープンソフトウェアを含むあらゆる既存ソフトウェアの改修,強化,改良,進化等)に関する唯一の専門研究グループとして1990年12月に創立しました。以来,当該メインテナンスの諸問題に焦点を当て,さまざまな切り口からその解決策を探ってきました。
今回のSEMS2019は「ソフトウェア更新対応でのテスト効率化最前線! ~更新版ショートタイムデリバリにはテストの効率化・自動化は不可避な対策~」をメインテーマとして実施します。今後予測される法律・制度,さまざまな周辺環境・経営環境などの急変に対し,繰り返しリリースが必要な既存ソフトウェアに対する機能追加・変更の対応リスクやテスト効率化対策の情報共有の場提供と考え企画しました。開催趣旨やプログラム構成意図の詳細は参加申込用紙フォーマットの後の案内をご参照ください。
なお,当日SERCの新年次個人会員(入会金無料,年会費5,000円,請求は後日)入会申込みされますと,12月からの新(29)年次(1年分)の個人会員としての資格(新年次の一部イベント無料参加,年次報告書の取得,作業部会への加入で研究活動補助受給有など)が得られます。また,本イベントの全プログラムに参加されたITコーディネータ認定者には,ITコーディネータ実践力ポイント(1.438ポイント)が付与されます。
既存ソフトウェアの改修,改良,機能強化,追加開発に携わっている皆さん,オープンソースをベースにさまざまな開発を行っている皆さん,当日は有意義な議論を楽しみましょう。また,終了後には,情報交換会(参加費別)を周辺で行います。是非ご参加ください。
SEMS2019開催要領
● 日時:2019年11月7日(木) 10:00-16:45(受付 9:30から)
● 会場:江東区亀戸文化センター 第3研修室
〒136-0071東京都江東区亀戸2-19-1 カメリアプラザ 6F)
https://www.kcf.or.jp/kameido/access/
JR総武線亀戸駅から徒歩2分
● プログラム
9:30- 10:00 受付
10:00-10:05 開会のあいさつ 代表幹事 増井 和也
10:05-11:30 基調講演
小笠原 秀人 氏
千葉工業大学 社会システム科学部教授(工学博士)
ソフトウェア技術者協会代表幹事,
派生開発推進業議会運営委員,SQiP運営委員
■基調講演の概要:
IPA SECのソフトウェア開発データ白書によれば、ソフトウェア開発における結合テスト・システムテストの工数は、テスト工数全体の40%を占めるとのことです。とりわけ、既存のソフトウェアを改造するタイプの開発や保守では、機能変更がシステム全体に与える影響範囲をあらかじめ正確に把握することが難しいため、システムテストでは変更に直接関係のない機能も含めて多くのテストを実施することになります。
今回の講演では、まずこのシステムテストの負荷を削減する目的でシステムテストの自動化に取り組んだ事例を紹介します。この例では、自動化ツールの選定段階でどのように導入障壁を克服したか、どのような体制とテスト実行プロセスを作ったか、どのようにテスト仕様と自動化のテストスクリプトを連動させ一元管理できるようにしたか等についてまずお話しします。
次に、テスト自動化ツールの最新の動向を紹介するとともに、システムテスト自動化に役立つと考え研究を進めている、テスト選択手法とテストスクリプト生成手法に関して説明します。
11:30-13:00 昼食休憩
13:00-13:40 調査報告「システム維持管理に関する調査」
一般財団法人 経済調査会 大岩 佐和子 氏
13:40-14-20 経験報告「大規模金融系ソフトウェア保守の移行におけるリグレッ
ションテスト対応事例」
SERC幹事,中央コンピューター株式会社 伊藤 順一氏
14:20-14:30 休憩(会場レイアウト変更)
14:30-15:45 <グループ別ワーク> リーダ(進行役)は当研究員が担当(意見集約)
15:45-16:30 <クループ報告> 報告はリーダ(当研究員)が行う
16:30-16:45 <グループ別ワーク全体総括・閉会の言葉>
●定員:先着40名
●シンポジウム参加費:
一般参加者は3,000円,SERC研究員は無料
●ITコーディネータ実践力ポイント
1.438ポイント
●併設情報交換会:
会議終了後,近所の居酒屋で情報交換会を行います。
参加費は,別途3,000円程度を予定しています。
●申込方法:
下記に添付した申込用紙に必要事項を御記入の上,SERC事務局まで申込みください。
定員超過でお申込をお断りする場合には,メールにてご連絡いたします。
なお,参加費は当日会場受付にて現金でお支払いください (領収書を差し上げます)。
申込受付後のキャンセルは原則としてお断りしております。
申込み宛先: ソフトウェア・メインテナンス研究会(SERC)までメールをください。
serc-secretariat(at)serc-j.jp
申込み〆切り: 2019年10月31日(木)
=====以下■の項目に記入し serc-secretariat(at)serc-j.jp へ ===========
ソフトウェアの進化と保守のシンポジウム(SEMS)2019 参加申込用紙
■氏名 (ふりがな): _______________ (________________________)
■会社名:__________________________________
■E-Mail:
___________________________________(申込み時の発信元メールアドレスと同じ場合は省略可能)
■ITコーディネータ認定番号_____________________(ITコーディネータ実践力ポイント取得対象者のみ)
■領収書の宛名書き: __________________________(不要な場合は省略可能)
■情報交換会の参加: 参加 / 不参加 (どちらかを消してください)
■参加資格: 一般参加 / SERC研究員 (どちらかを消してください)
=====以上 参加申込用紙終わり ===========
【SEM2019開催趣旨】
今年5月の元号変更や10月からの軽減税率を含む消費税率変更のソフトウェア対応は,ソフトウェア修正自体はパラメタやマスタデータの修正等,比較的小規模のケースでも,テスト工数が想定以上に大きくなる傾向が見られます。テストで発見された仕様不備,改修ミス,潜在不具合の露見に対し,計画外の対応や追加テストの工数が発生も想定されます。
最近,利用者への新サービスでセキュリティ関係のテスト不足による不正アクセスなどの障害によりサービスを中止した事例,制御システムのソフトウェアバグによる大手クラウドサービスの大規模システム障害の事例などが報道されています。ネット通販,キャッシュレスサービスの拡大,IoTなどの拡大,クラウド環境への急速な移行,巧妙化するサイバー攻撃への対策強化など,ITの進化スピードの加速と相まって,常に既存システムのソフトウェアのタイムリな改修・強化の要求が出てくる状況です。
これらの対応で,更新版提供までに許される期限短期化傾向の関係で,テストの作業効率化と併せ,テストポイントをどこに絞り込むべきか等,変更後に影響する範囲の品質(含む非機能品質)確保に関し,より迅速かつ正確な判断が必要となりそうです。開発時の保守性設計や更新対応体制が比較的適切に整備されている場合でも,テスト作業がIT部門やIT担当者にとって大きな負担になることは,今後も変わらない状況が続くと考えられます。
今回のSEM2019では,ソフトウェアを更新する場合のテストをいかに自動化・効率化するかについて焦点を当てたテスト環境,ツール,手法,品質の考え方について,現場を意識して広く取り上げたいと考えています。この検討は,既存ソフトウェアのメインテナンス(保守)対応以外に,アジャイル開発,DevOps,マイクロサービス,派生開発などのソフトウェア現場でも参考になる情報が得られるのではないかと考えています。
午前のプログラム「基調講演」では,ITシステムのテスト効率化・自動化・品質確保の研究にも強い興味を持たれ,現在はソフトウェア技術者協会代表幹事,派生開発推進協議会運営委員,SQiP運営委員など,多方面にご活躍の千葉工業大学教授 小笠原秀人氏に「システムテスト自動化の適用事例と研究開発の紹介」というタイトルでお話いただきます。
午後のプログラムでは,一般財団法人 経済調査会が平成30年度に実施した「システム維持管理に関する調査」(テスト作業に関する調査項目も含む)に関する調査報告を同調査会の大岩佐和子氏より行っていただきます。
続いて,SERC幹事の中央コンピューター伊藤さんが大規模システム保守対応におけるリグレッションテストの負荷増大と効率化対応について,多少現場の生々しい話も含め経験を語ります。
休憩時にレイアウト変更し,参加者の皆様にはグループに分かれいただき,既存ソフトウェアの更新対応で都度発生するテスト作業の効率化,自動化の現場や管理面での苦労・工夫などを自由に話し合っていただく場を提供いたします。グループの話し合いの司会・進行,そして出たお話の取り纏め(どなたの発言かは記録しません)とグループ単位の発表は,当研究会の研究員が各グループにリーダとして入り,担当します。そのため,参加者の皆様は,差し支えない範囲でご認識を気軽に発言されるだけで済みます。他の参加者の話で参考になるものや,ご質問に対する参加者やリーダの回答から得られた参考になる知見を,ご自身のIT現場改善に役立てていただければと考えています。