Cグループ2013
「10年後のソフトウェア保守を考える」 リーダー:伊藤 順一
サブテーマ):ソフトウェア保守プロセス標準化に向けた取り組み
Cグループでは、10年後のソフトウェア保守環境は、より複雑化・多様化していると考えています。また、10年後のソフトウェア保守技術者は二極化し、より厳しい環境におかれるとも考えています。新しい技術や知識を習得しながらソフトウェア保守を行なっている若手技術者に、私たちは何を伝承・継承しておく必要があるのでしょうか? 早く確実にするにはどうすればよいのでしょうか?
一昨年度より研究を続けてきた結果、早く確実に伝承するためには、保守プロセスを標準化しておくことが有効だという考えに至りました。昨年度は、標準化をしておく(進める)ためのツールとして、JIS規格(ソフトウェアライフサイクルプロセス-保守 JIS X 0161)を参考にし、チェックリストの考案に取り組みました。チェックリストは一般的には、ミスを犯さないための消極的な手法だといわれています。Cグループが考案したチェックリストは、保守現場に新しい視点を与える積極的な内容となっています。
しかし、保守プロセスは、開発プロセスや支援プロセスなどを利用するため、広範囲な知識が必要となります。JIS規格の学習と解釈を議論しながら進めたため、「保守プロセス実装」アクティビティに限定したチェックリストに留まりました。
今年度は、ソフトウェア保守プロセスの中でも作業負荷の高い、「問題の把握および修正分析」アクティビティのチェックリスト作成に取り組んで行く予定です。このアクティビティには、再現テスト、対応案の検討や妥当性の検証、見積りなどの作業が含まれると考えています。JIS規格に定義されている項目だけではなく、研究員の保守現場での実例を取り込み、保守現場の保守プロセス標準化に役立つチェックリストを目指して行きます。
若手保守技術者への知識や技術の確実な伝承・伝承に興味のある方、保守プロセスの品質向上に興味のある方など、皆さんの参加をお待ちしております。